
モノレールに関するコラム
-2026年度-
世界モノレール営業距離ランキング
2026.6.16/mjws.org コラム記事 |
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2026年5月時点で、世界のモノレール営業距離ランキングは大きく変化しています。
かつてモノレールは、都市交通の中でも比較的短い区間を結ぶ中量輸送機関として見られることが多い存在でした。しかし現在では、30kmを超える長距離路線が世界各地で営業を開始し、都市鉄道の幹線として機能する事例も増えています。
特に存在感を高めているのが、中国・重慶、エジプト・カイロ、タイ・バンコク、中国・蕪湖の各モノレール路線です。これらの路線はいずれも都市交通の中核を担う規模を持ち、世界のモノレール地図を大きく塗り替える存在となっています。
![]() 重慶モノレール2号線 |
![]() エジプト カイロ 東ナイル線 |
![]() 蕪湖モノレール |
![]() タイ バンコク ピンクライン |
本記事では、2026年5月時点で営業中、または段階開業済みの都市型モノレールを中心に、営業距離ランキングを整理します。あわせて、今後ランキングに影響を与えると考えられる建設中・延伸中の路線についても紹介します。
なお、本ランキングでは都市交通として営業するモノレールを中心に扱い、空港内シャトル、遊園地・テーマパーク内交通、長期運休中の路線については主ランキングから外し参考扱いとしました。また、カイロ東ナイル線については2026年5月時点で全22駅中16駅が営業を開始している段階開業のため、全線距離ベースで注記付き掲載としています。
2026年5月時点における、世界の主要な都市型モノレールの営業距離ランキングを整理すると、次のようになります。
| 順位 | 路線・システム | 国・都市 | 営業距離 | 方式・システム | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 重慶軌道交通3号線 | 中国・重慶 | 約67.1km | 跨座式・日立系 | 世界最長級の単一路線モノレール |
| 2 | カイロ東ナイル線 | エジプト・カイロ | 約56km超 | 跨座式・Alstom Innovia系 | 2026年5月時点で段階開業、16駅営業 |
| 3 | バンコクMRTピンクライン | タイ・バンコク | 約37.5km | 跨座式・Alstom Innovia系 | 本線34.5km+ムアントンターニー支線 |
| 4 | 重慶軌道交通2号線 | 中国・重慶 | 約31.4km | 跨座式・日立系 | 中国初の本格都市モノレール |
| 5 | 蕪湖軌道交通1号線 | 中国・蕪湖 | 約30.5km | 跨座式・Alstom Innovia系 | 2021年開業 |
| 6 | バンコクMRTイエローライン | タイ・バンコク | 約30.4km | 跨座式・Alstom Innovia系 | 2023年営業開始 |
| 7 | 大阪モノレール | 日本・大阪 | 28.0km | 跨座式・日立系 | 日本最長のモノレール |
| 8 | 大邱都市鉄道3号線 | 韓国・大邱 | 約24.0km | 跨座式・日立系 | 韓国初の都市型モノレール |
| 9 | 東京モノレール羽田空港線 | 日本・東京 | 17.8km | 跨座式・日立系 | 浜松町?羽田空港第2ターミナル |
| 10 | 沖縄都市モノレール線 ゆいレール | 日本・沖縄 | 約17.0km | 跨座式・日立系 | 那覇空港?てだこ浦西 |
| 11 | 多摩都市モノレール線 | 日本・東京 | 16.0km | 跨座式・日立系 | 上北台?多摩センター |
| 12 | 蕪湖軌道交通2号線一期 | 中国・蕪湖 | 約15.8km | 跨座式・Alstom Innovia系 | 2021年開業 |
| 13 | 千葉都市モノレール | 日本・千葉 | 15.2km | 懸垂式 | 懸垂式モノレールとして世界最長級 |
| 14 | サンパウロメトロ15号線 | ブラジル・サンパウロ | 約15.0km | 跨座式・Alstom Innovia系 | 南米を代表する都市型モノレール |
| 15 | ヴッパータール空中鉄道 | ドイツ・ヴッパータール | 約13.3km | 懸垂式 | 歴史的な懸垂式都市交通 |
このランキングを見ると、30kmを超える都市型モノレールが、すでに複数の国で営業していることが分かります。特に上位6路線は、いずれも30km級またはそれ以上の規模を持つ路線です。
日本のモノレールは、営業距離だけで見ると世界上位からは一歩下がりましたが、路線数、運行実績、都市交通としての定着度という点では、現在も非常に大きな存在です。大阪、東京、沖縄、多摩、千葉など、それぞれ異なる都市条件の中で運行されている点も、日本のモノレールの特徴と言えます。
なお、インド・ムンバイモノレールは全長19.54kmの路線ですが、2026年5月時点では更新工事・運行再開準備に関する情報が見られるため、今回の主ランキングからは外しました。営業再開後は、東京モノレールやゆいレールを上回る位置に入る路線となります。
2026年5月時点で、世界最長級の単一路線モノレールとして首位に立つのは、中国・重慶軌道交通3号線です。
重慶3号線は、重慶市の南北軸を担う長大な都市鉄道路線です。営業距離は約67.1kmに達し、一般的な都市型モノレールのイメージを大きく超える規模を持っています。
![]() 重慶モノレール3号線 |
![]() 重慶モノレール2号線 |
重慶は、長江と嘉陵江が交わる山地都市であり、都市の高低差が非常に大きいことで知られています。地下鉄建設では地形上の制約が大きく、河川や谷、急勾配の市街地を抱える都市構造の中で、跨座式モノレールは有効な交通システムとして導入されました。
重慶3号線の特徴は、単に距離が長いだけではありません。都市の広域移動を担う幹線として利用され、モノレールが本格的な都市鉄道として成立することを示した代表的な事例でもあります。
2026年版のランキングで大きな存在となるのが、エジプト・カイロの東ナイル・モノレールです。
カイロでは、東ナイル線と西ナイル線の2路線からなる大規模なモノレール計画が進められています。このうち東ナイル線は、カイロ東部と新行政首都方面を結ぶ路線として整備され、2026年5月に商業運行を開始しました。
東ナイル線は全線で56kmを超える長大路線で、22駅が設けられる計画です。2026年5月時点では、そのうち16駅が営業を開始している段階であり、全線が一挙に完成したわけではありません。そのため、ランキング上では「全線距離ベースの段階開業路線」として扱う必要があります。
それでも、カイロ東ナイル線の登場は世界のモノレール市場にとって大きな転換点です。これまでアジアを中心に広がってきた長距離モノレールが、アフリカ大陸にも本格的に展開されたことになります。
また、カイロでは西ナイル線も建設が進められています。東西2路線がそろえば、都市単位では100km級のモノレールネットワークが形成される可能性があります。
![]() カイロ 東ナイル線 |
![]() カイロ 東ナイル線はタイの2路線と同様INNOVIA 300モノレールシステムを採用する。 |
タイ・バンコクでは、MRTピンクラインとMRTイエローラインという2本の長距離モノレールが営業しています。
ピンクラインは、ノンタブリー方面からバンコク北部・東部を結ぶ路線です。本線は約34.5kmで、さらにムアントンターニー方面へ向かう支線を加えると、全体では約37.5km級の路線となります。世界的に見ても上位に入る長距離モノレールであり、バンコク都市圏の外縁部を結ぶ重要な交通軸となっています。
※ムアントンターニー支線開業後の様子は2026年5月に現地を確認してきました(Youtube)。
イエローラインは、ラートプラーオ方面からサムローン方面を結ぶ路線で、営業距離は30.4kmです。こちらも全線高架の跨座式モノレールで、バンコク東部の都市交通を担っています。
両路線に採用されているのは、Alstom Innovia系のモノレールシステムです。自動運転を前提とした都市型モノレールとして整備されており、バンコクはアジア有数の大規模モノレール導入都市となりました。
中国・安徽省蕪湖市でも、長距離モノレールが営業しています。蕪湖軌道交通1号線と2号線一期です。
1号線は、保順路方面から白馬山方面を結ぶ南北方向の路線で、営業距離は約30.5kmです。単一路線として大阪モノレールを上回る距離を持ち、世界ランキングでも上位に位置します。
2号線一期は、万春湖路方面から鳩茲広場方面を結ぶ東西方向の路線で、営業距離は約15.8kmです。1号線と2号線が交差することで、蕪湖市内にはT字型の都市鉄道ネットワークが形成されています。
蕪湖のモノレールは、Alstom Innovia系の自動運転モノレールとして整備されました。重慶が日立系の大型跨座式モノレールで発展したのに対し、蕪湖は自動運転・新世代システムを前面に出した都市型モノレールとして位置づけられます。
中国国内では、地下鉄を中心とした都市鉄道整備が進む一方で、地形や都市規模に応じてモノレールを採用する都市も現れています。蕪湖はその代表的な事例の一つです。
日本は現在も、世界有数のモノレール保有国です。大阪モノレール、東京モノレール、沖縄都市モノレール、多摩都市モノレール、千葉都市モノレール、北九州モノレール、湘南モノレールなど、さまざまな都市でモノレールが営業しています。
営業距離で見ると、日本最長は大阪モノレールの28.0kmです。大阪空港、千里中央、万博記念公園、門真市などを結び、大阪北部から東部にかけての広域移動を担っています。
東京モノレール羽田空港線は17.8kmで、浜松町と羽田空港を結ぶ空港アクセス路線として高い知名度を持ちます。1964年の開業以来、東京と羽田空港を結ぶ重要な交通機関として機能してきました。
沖縄都市モノレール、通称ゆいレールは、那覇空港から那覇市中心部を経由し、浦添市のてだこ浦西方面へ至る路線です。2019年の延伸により約17.0kmとなり、沖縄県内唯一の軌道系公共交通として重要な役割を担っています。
多摩都市モノレールは16.0kmで、上北台から立川、多摩センター方面を結ぶ南北交通軸です。多摩地域では東西方向の鉄道路線が多い中、南北方向をつなぐ貴重な路線となっています。
千葉都市モノレールは15.2kmで、懸垂式モノレールとして世界最長級の営業距離を持ちます。跨座式が主流となった世界のモノレールの中で、懸垂式として都市交通に定着している点が大きな特徴です。
世界ランキング上では、日本勢は30km超の海外路線に押される形となっています。しかし、運行実績、車両・軌道・分岐器技術、都市への定着度という面では、日本のモノレールは現在も非常に重要な存在です。
2026年5月時点で、今後のランキングに影響を与えそうな路線としては、カイロ西ナイル線、パナマメトロ3号線、メキシコ・モンテレイの新線、大阪モノレール南伸、サンパウロメトロ15号線の延伸などが挙げられます。
まず、最も大きな変動要素となるのは、エジプト・カイロの西ナイル線です。カイロでは、すでに東ナイル線の商業運行が始まっていますが、もう一方の西ナイル線も42km級の長距離モノレールとして整備が進められています。開業すれば、単独路線としても世界上位に入る規模となり、カイロ全体では100km級のモノレールネットワークが形成されることになります。
次に注目されるのが、パナマメトロ3号線です。中米初の本格的な都市型モノレールであり、日立製の大型跨座式モノレールを採用する案件です。パナマ運河を挟んだ西側地域とパナマ市中心部を結ぶ路線で、開業すれば中南米における日立製モノレールの大きな実績となります。
メキシコ・モンテレイでも、Metrorreyの新線としてモノレール方式の導入が進められています。路線単独の距離では重慶やカイロ級ではありませんが、複数の新線が同時期に整備されることで、都市単位では中南米の新しいモノレール導入都市として注目されます。
日本国内では、大阪モノレールの南伸事業が進められています。既存の門真市駅から、松生町、門真南、鴻池新田、荒本を経て、瓜生堂方面へ向かう延伸で、延長は約8.9kmです。開業後は大阪モノレール全体の営業距離が36km級となり、日本最長のモノレールとしての存在感をさらに高めることになります。
ブラジル・サンパウロでは、既存の15号線および17号線の動向も引き続き注目されます。特に15号線は、現在営業中の区間に加えて延伸計画が進められており、最終的には19km級の路線となる見込みです。サンパウロは15号線、17号線の2路線を有する都市となっており、南米におけるモノレール都市としての存在感は今後も高まるものと考えられます。
![]() サンパウロメトロ15号線 |
サンパウロメトロ17号線 システムはBYDを採用 |
| 路線名 | 国・地域 | 距離 | システム | 始点と終点 |
|---|---|---|---|---|
| カイロ・モノレール 西ナイル線 | エジプト・カイロ/ギザ/6th of October City | 約42km | 跨座式モノレール/ Alstom Innovia系 |
ギザ側・Wadi El Nile接続付近〜6th of October City方面 |
| パナマメトロ3号線 | パナマ・パナマ市/パナマ西部 | 約25km | 跨座式モノレール/ 日立製 |
Albrook〜Ciudad del Futuro |
| Metrorrey Line 4 | メキシコ・モンテレイ | 約7.5km | 跨座式モノレール/ CRRC系 |
Hospital de Ginecologia付近〜Pablo Gonzalez Garza方面 |
| Metrorrey Line 6 | メキシコ・モンテレイ | 約9.1km・ 初期区間 |
跨座式モノレール/ CRRC系 |
Hospital de Ginecologia付近〜Apodaca方面 |
| 大阪モノレール南伸 | 日本・大阪府 | 約8.9km | 跨座式モノレール/ 日立系 |
門真市〜瓜生堂 |
| サンパウロメトロ15号線延伸 | ブラジル・サンパウロ | 延伸後約19.1km規模 | 跨座式モノレール/Alstom Innovia系 | Vila Prudente方面〜Jacu Pessego方面 |
この中で、世界ランキングに最も大きな影響を与えるのはカイロ西ナイル線です。42km級で開業すれば、重慶3号線、カイロ東ナイル線に続く上位クラスの路線となります。さらにカイロは、東西2路線を合わせた総延長で世界最大級のモノレール都市となる可能性があります。
パナマメトロ3号線は、営業距離だけで見れば世界最長級ではないものの、パナマ運河を越える都市交通としての性格を持つ点で非常に特徴的です。日立製モノレールの海外展開という意味でも、重慶、大邱、パナマへと続く重要な案件となります。
モンテレイの新線は、メキシコ国内での本格的な都市型モノレール導入という点で注目されます。中南米では、サンパウロ、パナマに続いてモノレールの採用例が増えており、今後の都市交通整備において、跨座式モノレールが再び選択肢として浮上していることを示しています。
大阪モノレール南伸は、日本国内のランキングに大きな影響を与える案件です。延伸後の営業距離は36km級となり、世界的に見ても上位に近い規模へ戻ることになります。大阪空港から大阪東部方面へ環状方向に結節する路線として、単なる延伸ではなく、都市圏交通ネットワークの再編という意味合いも持っています。
サンパウロ15号線については、すでに営業中の既存区間に加え、延伸によって路線規模がさらに拡大する見込みです。サンパウロは15号線、17号線の2路線を有する都市となっており、南米におけるモノレール都市としての存在感は今後も高まるものと考えられます。
モノレール営業距離ランキングは、採用されているシステムやメーカー別に見ると、また違った姿が見えてきます。2026年時点で大きな存在感を持っているのは、日立系の跨座式モノレールと、Alstom Innovia系のモノレールです。
日立系の代表例は、重慶軌道交通2号線・3号線、大阪モノレール、東京モノレール、多摩都市モノレール、沖縄都市モノレール、大邱都市鉄道3号線などです。特に重慶3号線の約67.1kmという距離は、メーカー別の路線長を考える上でも非常に大きな存在です。
一方、Alstom Innovia系は、カイロ、バンコク、蕪湖、サンパウロなどで採用が進んでいます。旧Bombardier TransportationのInnovia Monorail 300を引き継ぐ形で、現在はAlstom系のモノレールシステムとして扱われる案件が増えています。
BYD系では、サンパウロメトロ17号線の営業開始が注目されます。営業距離は初期区間で6km台ですが、BYD SkyRailが中国国外の都市交通として実際に営業に入った意味は大きく、今後の展開を引き続き確認する必要があります。
![]() BYD SkyRail(本社デモンストレーション線) |
![]() BYD SkyRail |
CRRC系では、メキシコ・モンテレイのLine 4およびLine 6が注目されます。開業すれば、ラテンアメリカにおける中国系モノレールシステムの導入事例として重要な位置を占めることになります。
メーカー別の構図を見ると、世界のモノレール市場は、日立系が長年の実績を持つ一方で、Alstom Innovia系、中国系メーカー、BYDなどが新たな案件を獲得し、勢力図が多極化しつつあることが分かります。
2026年5月時点で、営業中および休止中の主要モノレール路線を国別に集計すると次のようになります。ここでは都市交通・観光交通として一定の公共性を持つ路線を対象とし、遊園地内アトラクションや空港内シャトルは除外しました。なお、休止中の路線についても、設備が現存し再開または更新の可能性があるものは合計に含めています。
| 順位 | 国・地域 | 合計距離 | 営業中 | 休止中 | 主な対象路線 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 約144.8km | 約144.8km | 0km | 重慶軌道交通3号線、重慶軌道交通2号線、蕪湖軌道交通1号線、蕪湖軌道交通2号線一期 |
| 2 | 日本 | 約114.4km | 約114.4km | 0km | 大阪モノレール、東京モノレール、沖縄都市モノレール、多摩都市モノレール、千葉都市モノレール、北九州モノレール、湘南モノレール、ディズニーリゾートライン |
| 3 | タイ | 約67.9km | 約67.9km | 0km | バンコクMRTピンクライン、バンコクMRTイエローライン |
| 4 | エジプト | 約56.5km | 約56.5km | 0km | カイロ東ナイル・モノレール |
| 5 | 韓国 | 約30.0km | 約30.0km | 0km | 大邱都市鉄道3号線、月尾海列車 |
| 6 | ブラジル | 約21.7km | 約21.7km | 0km | サンパウロメトロ15号線、サンパウロメトロ17号線 |
| 7 | インド | 約20.0km | 0km | 約20.0km | ムンバイモノレール |
| 8 | ドイツ | 約13.3km | 約13.3km | 0km | ヴッパータール空中鉄道 |
| 9 | マレーシア | 約8.6km | 約8.6km | 0km | KLモノレール |
| 10 | アメリカ | 約7.9km | 約7.9km | 0km | ラスベガスモノレール、シアトルセンターモノレール |
| 11 | アラブ首長国連邦 | 約5.5km | 0km | 約5.5km | パーム・ジュメイラ・モノレール |
| 12 | シンガポール | 約2.1km | 約2.1km | 0km | セントーサ・エクスプレス |
備考:この集計では、中国が約144.8kmで首位となります。重慶2号線・3号線に加え、蕪湖1号線・2号線が加わることで、国別合計では他国を大きく引き離しています。日本は約114.4kmで2位となります。世界最長級の単一路線こそありませんが、営業路線数が多く、跨座式、懸垂式、空港アクセス、都市内交通、観光交通など、多様なモノレールが現役で運行されている点が特徴です。なお、ディズニーリゾートラインを観光・リゾート交通として除外する場合、日本の合計は約109.4kmとなります。タイは、バンコクのピンクラインとイエローラインの2路線だけで約67.9kmに達します。両路線はいずれも30km級の長距離モノレールであり、都市単位で見てもバンコクは世界有数のモノレール導入都市となっています。エジプトは、カイロ東ナイル・モノレールの段階開業により、一気に上位へ入りました。2026年5月時点では全駅が営業しているわけではありませんが、全線距離は56kmを超え、今後西ナイル線が加われば、国別合計はさらに大きく伸びる見込みです。インドのムンバイモノレールは、2026年5月時点で更新工事・運行再開準備に伴う休止中のため、営業中距離には含めず、休止中距離として計上しました。同様に、アラブ首長国連邦のパーム・ジュメイラ・モノレールも休止中として扱っています。一方、モスクワモノレールは2025年に営業を終了し、跡地を高架公園へ転用する動きが進んでいるため、今回の「休止中路線」には含めていません。
カイロ西ナイル線、パナマメトロ3号線、メキシコ・モンテレイのMetrorrey Line 4およびLine 6初期区間が開業した場合、国別のモノレール合計距離は次のようになります。ここでは、営業中の都市型モノレールに加え、ムンバイモノレールやパーム・ジュメイラ・モノレールのような休止中路線も含めて集計しました。空港内シャトルや遊園地内アトラクションは対象外としています。
| 順位 | 国・地域 | 合計距離 | 営業中・開業後 | 休止中 | 主な対象路線 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 約144.8km | 約144.8km | 0km | 重慶軌道交通3号線、重慶軌道交通2号線、蕪湖軌道交通1号線、蕪湖軌道交通2号線一期 |
| 2 | 日本 | 約114.4km | 約114.4km | 0km | 大阪モノレール、東京モノレール、沖縄都市モノレール、多摩都市モノレール、千葉都市モノレール、北九州モノレール、湘南モノレール、ディズニーリゾートライン |
| 3 | エジプト | 約98.5km | 約98.5km | 0km | カイロ東ナイル・モノレール、カイロ西ナイル・モノレール |
| 4 | タイ | 約67.9km | 約67.9km | 0km | バンコクMRTピンクライン、バンコクMRTイエローライン |
| 5 | 韓国 | 約30.0km | 約30.0km | 0km | 大邱都市鉄道3号線、月尾海列車 |
| 6 | パナマ | 約25.0km | 約25.0km | 0km | パナマメトロ3号線 |
| 7 | ブラジル | 約21.7km | 約21.7km | 0km | サンパウロメトロ15号線、サンパウロメトロ17号線 |
| 8 | インド | 約20.0km | 0km | 約20.0km | ムンバイモノレール |
| 9 | メキシコ | 約16.6km | 約16.6km | 0km | Metrorrey Line 4、Metrorrey Line 6初期区間 |
| 10 | ドイツ | 約13.3km | 約13.3km | 0km | ヴッパータール空中鉄道 |
| 11 | マレーシア | 約8.6km | 約8.6km | 0km | KLモノレール |
| 12 | アメリカ | 約7.9km | 約7.9km | 0km | ラスベガスモノレール、シアトルセンターモノレール |
| 13 | アラブ首長国連邦 | 約5.5km | 0km | 約5.5km | パーム・ジュメイラ・モノレール |
| 14 | シンガポール | 約2.1km | 約2.1km | 0km | セントーサ・エクスプレス |
この想定では、エジプトが約98.5kmとなり、タイを上回って世界3位に浮上します。カイロ東ナイル線だけでも56km超の長距離路線ですが、西ナイル線が加わることで、エジプトは国別合計でも世界有数のモノレール保有国となります。パナマは、パナマメトロ3号線の開業により約25.0kmを新たに計上することになります。国別では韓国に次ぐ規模となり、ブラジルやインドを上回る位置に入ります。単一路線としても、大邱都市鉄道3号線や大阪モノレールに近い規模であり、中米における本格的な都市型モノレールとして注目されます。メキシコは、モンテレイのMetrorrey Line 4およびLine 6初期区間の開業により、約16.6kmを新たに計上します。Line 4はモンテレイ中心部西側方面、Line 6は北東方面へ伸びる路線で、いずれも跨座式モノレールとして整備されています。初期開業区間ベースでは国別9位となりますが、Line 6の将来区間や関連計画を含める場合、メキシコの合計距離はさらに大きく伸びる可能性があります。中国は、重慶と蕪湖の長距離路線により、開業後想定でも首位を維持します。日本は単一路線では30km超の路線を持たないものの、営業路線数の多さにより2位を保ちます。なお、日本の合計にはディズニーリゾートラインを含めています。これを観光・リゾート交通として除外する場合、日本の合計は約109.4kmとなりますが、その場合でも国別では2位を維持します。ムンバイモノレールは、約20kmの路線としてインドの合計に含めています。ただし、2026年5月時点では更新工事・運行再開準備に伴う休止中路線として扱うため、「営業中・開業後」の欄には含めず、「休止中」に計上しました。パーム・ジュメイラ・モノレールも、公式案内でメンテナンスによる一時休止が示されているため、アラブ首長国連邦の休止中路線として計上しています。
国別ではなく、都市・地域単位でモノレールの合計距離を整理すると、重慶、カイロ、バンコク、蕪湖といった、複数のモノレール路線を持つ地域の存在感がより明確になります。現在各都市のモノレール路線長を評価する上では地域別でみる事が一般的になっているようですので、参考として作成しました。
ここでは、営業中の都市型モノレールに加え、ムンバイモノレールやパーム・ジュメイラ・モノレールのような休止中路線も含めて集計しました。さらに、カイロ西ナイル線、パナマメトロ3号線、メキシコ・モンテレイのMetrorrey Line 4およびLine 6初期区間が開業した場合の想定値も反映しています。
| 順位 | 国・地域 | 合計距離 | 営業中・開業後 | 休止中 | 主な対象路線 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 中国・重慶 | 約98.5km | 約98.5km | 0km | 重慶軌道交通3号線、重慶軌道交通2号線 |
| 1 | エジプト・カイロ都市圏 | 約98.5km | 約98.5km | 0km | カイロ東ナイル・モノレール、カイロ西ナイル・モノレール |
| 3 | タイ・バンコク都市圏 | 約67.9km | 約67.9km | 0km | MRTピンクライン、MRTイエローライン |
| 4 | 中国・蕪湖 | 約46.3km | 約46.3km | 0km | 蕪湖軌道交通1号線、蕪湖軌道交通2号線一期 |
| 5 | 日本・東京都 | 約33.8km | 約33.8km | 0km | 東京モノレール羽田空港線、多摩都市モノレール線 |
| 6 | 日本・大阪府 | 28.0km | 28.0km | 0km | 大阪モノレール本線、彩都線 |
| 7 | パナマ・パナマ首都圏?パナマ西部 | 約25.0km | 約25.0km | 0km | パナマメトロ3号線 |
| 8 | 韓国・大邱 | 約24.0km | 約24.0km | 0km | 大邱都市鉄道3号線 |
| 9 | ブラジル・サンパウロ | 約21.7km | 約21.7km | 0km | サンパウロメトロ15号線、サンパウロメトロ17号線 |
| 10 | 日本・千葉県 | 約20.2km | 約20.2km | 0km | 千葉都市モノレール、ディズニーリゾートライン |
| 11 | インド・ムンバイ | 約20.0km | 0km | 約20.0km | ムンバイモノレール |
| 12 | 日本・沖縄本島 | 約17.0km | 約17.0km | 0km | 沖縄都市モノレール線 ゆいレール |
| 13 | メキシコ・モンテレイ | 約16.6km | 約16.6km | 0km | Metrorrey Line 4、Metrorrey Line 6初期区間 |
| 14 | ドイツ・ヴッパータール | 約13.3km | 約13.3km | 0km | ヴッパータール空中鉄道 |
| 15 | 日本・北九州 | 約8.8km | 約8.8km | 0km | 北九州モノレール |
| 16 | マレーシア・クアラルンプール | 約8.6km | 約8.6km | 0km | KLモノレール |
| 17 | 日本・湘南地域 | 約6.6km | 約6.6km | 0km | 湘南モノレール |
| 18 | アメリカ・ラスベガス | 約6.3km | 約6.3km | 0km | ラスベガスモノレール |
| 19 | 韓国・仁川/月尾島 | 約6.1km | 約6.1km | 0km | 月尾海列車 |
| 20 | アラブ首長国連邦・ドバイ | 約5.5km | 0km | 約5.5km | パーム・ジュメイラ・モノレール |
| 21 | シンガポール・セントーサ | 約2.1km | 約2.1km | 0km | セントーサ・エクスプレス |
| 22 | アメリカ・シアトル | 約1.6km | 約1.6km | 0km | シアトル・センター・モノレール |
地域別で見ると、中国・重慶とエジプト・カイロ都市圏が、いずれも約98.5kmで世界最大級のモノレール地域となります。重慶は2号線と3号線の2路線でこの距離に達しており、単一路線の長さだけでなく、都市全体としてのモノレール規模も非常に大きいことが分かります。一方、カイロ都市圏は、東ナイル線と西ナイル線の2路線がそろうことで、一気に重慶と並ぶ規模になります。東ナイル線だけでも56km超の長距離路線ですが、西ナイル線が加わることで、都市圏全体では100kmに迫るモノレールネットワークとなります。
3位はタイ・バンコク都市圏です。ピンクラインとイエローラインの2路線で約67.9kmとなり、都市単位で見ても世界有数のモノレール導入地域となっています。バンコクの場合、どちらも30km級の長距離路線である点が特徴です。
4位の中国・蕪湖は、1号線と2号線一期の合計で約46.3kmとなります。重慶ほどの規模ではありませんが、地方都市としては非常に大きなモノレールネットワークを持つ地域です。
日本国内では、東京都が東京モノレールと多摩都市モノレールを合わせて約33.8kmとなり、地域別では日本最大となります。大阪府は大阪モノレールの28.0kmでこれに続きます。なお、大阪モノレール南伸が開業した場合、大阪府の合計は約36.9kmとなり、日本国内では東京都を上回ることになります。千葉県は、千葉都市モノレールとディズニーリゾートラインを合わせて約20.2kmとなります。ただし、ディズニーリゾートラインを観光・リゾート交通として除外する場合、千葉県の合計は約15.2kmとなります。
ムンバイモノレールは約20.0kmの路線ですが、2026年5月時点では更新工事・運行再開準備に伴う休止中路線として扱いました。そのため、営業中距離には含めず、休止中距離として計上しています。モンテレイについては、Metrorrey Line 4の約7.5kmとLine 6初期区間の約9.1kmを合算し、約16.6kmとして計上しました。将来区間まで含める場合は、メキシコ・モンテレイの順位がさらに上がる可能性があります。モスクワモノレールは4.7kmの路線でしたが、2025年に営業を終了し、高架公園への転用が進められているため、今回の地域別ランキングには含めていません。
2026年5月時点の世界モノレール営業距離ランキングを見ると、モノレールが「未来の乗り物」というイメージから、実際に都市の幹線交通を担うインフラへと変化していることが分かります。重慶は、現在も世界最大級のモノレール都市として大きな存在感を持っています。そこにカイロ、バンコク、蕪湖が加わり、30kmを超える長距離モノレールは世界各地に広がりました。
一方で、モノレールは建設すれば必ず成功するというものではありません。車両、軌道桁、分岐器、信号、保守体制、運行管理が一体となって成立するシステムであり、開業後の維持管理や輸送需要の確保も重要です。計画段階では大きく見えた路線が縮小・延期される例もあれば、開業後に運休や更新工事を迫られる例もあります。
それでも、カイロ、パナマ、モンテレイ、大阪、サンパウロなど、今後のランキングに影響を与える案件は複数存在しています。特にカイロ西ナイル線とパナマメトロ3号線は、世界のモノレール地図をさらに変える可能性を持つ路線です。かつて日本が先導した都市型モノレール技術は、いまやアジア、中東、アフリカ、中南米へと広がり、それぞれの都市条件に合わせた発展を見せています。次回のランキングでは、これらの新規路線や延伸事業がどこまで進んでいるのかを確認しながら、世界のモノレールの変化を引き続き追っていきたいと思います。
文 田村拓丸/MJWS編集室 校閲/MJWS編集室・他 2026年6月時点
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記事編集者:田村拓丸 Takumaru Tamura MJWS代表・編集室デスク・NPO法人多摩モノレールとまちづくり 理事 モノレール運行会社との情報交換をはじめ、地域コミュニティ向けの講演、モノレール関連記事の執筆・校正、デザイン画の構成・作成など、モノレールインフラの維持・発展を目指した幅広い活動を展開している。幼少期より運営を続けるホームページ「MJWS.org」は、2026年現在、総数800ページを超える大規模なモノレール情報サイトへと発展している。 |
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