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アシガバート・モノレール
Ashgabat Monorail
Intamin type P30/90


1.アシガバート・モノレール(Ashgabat Monorail)

アシガバート・モノレール(Ashgabat Monorail)は、中央アジアのトルクメニスタン共和国の首都アシガバートに建設された跨座式モノレールで、2016年に開業した。中央アジア地域で初めて導入されたモノレール交通システムであり、都市交通というよりも、アシガバートのオリンピック・コンプレックス内部を結ぶ施設内交通として整備されたものである。

このモノレールは、2017年にアシガバートで開催された第5回アジア屋内・格闘技競技大会(Asian Indoor and Martial Arts Games)に合わせて建設された。同大会は、トルクメニスタンにおいて初めて開催されたアジアオリンピック評議会(OCA)主催の国際総合競技大会である。

大会会場となったアシガバート・オリンピック・コンプレックスは、首都アシガバートに建設された大規模スポーツ施設群で、既存のオリンピックスタジアム周辺を中心に整備された。敷地面積は約157ヘクタールに及び、6万人収容のメインスタジアムをはじめ、屋内自転車競技場、水泳センター、屋内陸上競技場、テニスセンター、トレーニング施設など、世界水準の競技施設約30施設が配置されている。これらの施設は公園状に整備された敷地内に配置され、その移動手段としてモノレールが導入された。


Ashgabat Monorail
Intamin社 type P30/90

Ashgabat Monorail
Intamin社 type P30/90

建設工事はトルコの建設会社Polimeksによって進められ、スポーツ複合施設全体の整備は2016年秋までに完了した。オリンピック村周辺には、ホテル、レストラン、カフェ、ショッピング施設、社会文化施設、駐車場などの都市機能も整備され、競技大会の開催に対応した都市インフラが構築された。

モノレールシステムはスイスの輸送システムメーカーであるIntaminが設計・供給を担当した。路線は全長約5.18kmの高架環状線で、車両基地および整備施設へ接続する約550mの線路を含んでいる。軌道は全線高架構造で、通常は地上約4〜6mの高さに設置されている。


Ashgabat Monorail
Intamin社 type P30/90

Ashgabat Monorail
Intamin社 type P30/90

路線はメインスタジアム、選手村、屋内自転車競技場、水泳センター、屋内陸上競技場、テニスセンター、トレーニング施設、屋内アリーナ、医療リハビリテーションセンター、ホテル、プレスセンター、ビジネスセンターなど、オリンピック・コンプレックス内の主要施設を結ぶように配置されている。駅数は8駅で構成される。

車両はIntamin製のP30/90型モノレール車両が使用されており、1編成あたり最大約90名が乗車可能である。最高速度は約80km/h、通常の運行速度は約46km/hとされ、輸送能力は最大で約1200人/時程度である。

このモノレールは、オリンピック・コンプレックス内を循環する交通手段として、競技大会期間中には選手や観客の移動を支える役割を担った。2016年5月には試運転および初運行が行われ、2017年の大会開催に向けて運行体制が整えられた。

アシガバート・モノレールは都市鉄道としての役割を担うものではなく、大規模スポーツ施設内の移動を目的として整備された交通システムである。しかし中央アジアで初めて導入されたモノレールであるとともに、国際大会開催に合わせて整備された大型スポーツ都市の内部交通という点で、世界のモノレールの中でも特徴的な事例となっている。

Ashgabat Monorail
Intamin社 type P30/90

Ashgabat Monorail
Intamin社 type P30/90


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