−モノレールの歴史(History of Monorail)

モノレールは、一本の軌道を中心として車両を案内・支持する交通システムの総称です。今日では、跨座式、懸垂式、案内軌条式、自動運転式など多くの方式が存在し、都市交通、空港アクセス、観光交通、遊園地内交通など、さまざまな場面で活用されています。

その歴史は古く、19世紀前半のイギリスにまでさかのぼります。当初は、馬や蒸気を動力とした貨物輸送・実験線として登場しました。その後、電気駆動、ゴムタイヤ、コンクリート軌道桁、自動運転技術などの発展を経て、20世紀後半以降は本格的な都市交通機関として世界各地に広がっていきました。

ここでは、モノレールの発明期から、ALWEG式・SAFEGE式の登場、日本での発展、そして21世紀以降の世界的な展開までを、時代ごとに整理して紹介します。

1. 発明と初期構想の時代
1820年代〜1850年代


1821年  11月22日、イギリスの技術者ヘンリー・ロビンソン・パルマーが、一本のレール上を車輪が走行し、その下に荷物や客車を吊り下げる方式の鉄道について特許を取得した。これが近代的なモノレール構想の出発点の一つとされる。

1824年  ロンドンのテムズ川付近、デプトフォードの海軍倉庫周辺で、パルマー方式による貨物輸送用のモノレールが使用された。主に物資輸送を目的とした初期の実用例であった。

1824年  フィッシャーが、逆T字形のレールに車輪を吊り下げる懸垂式モノレールの構想を考案したとされる。後の懸垂式モノレールにつながる考え方の一つである。

1825年  6月、パルマーの特許に基づき、ロンドン北方のチェサントで、レンガ工場とリー川を結ぶ貨物用モノレールが建設された。貨物だけでなく人を乗せた記録もあり、初期の旅客輸送モノレールとして紹介されることもある。

1826年  パルマーの方式を基にしたモノレール構想がドイツでも紹介された。ドイツではその後、バルメンとエルバーフェルトを結ぶ懸垂式鉄道構想が検討されたが、この時点では実現しなかった。

1829年  マクセル・ディックが、パルマー式を参考にしつつ、下部に案内軌道を追加したモノレールに関する特許を取得した。初期のモノレールは、一本のレールという考え方を基礎にしながらも、安定性を高めるための補助輪や補助軌条を持つものが多かった。

2. 実験線と博覧会の時代
1860年代〜1930年代


1868年  バラクロウフ・フェルが、跨座式と懸垂式を組み合わせたような構造のモノレールを考案した。イギリスのバロー・イン・ファーネス近郊で、鉄道駅との連絡に使われた。この時の動力は馬であった。

1869年  J.L.ハッドンが、シリアでモノレールを建設したとされる。詳細には不明点も残るが、19世紀後半には欧米以外でもモノレール的な交通システムが試みられていた。

1872年  フランス・リヨンの博覧会で、会場内輸送用のモノレールが使用された。博覧会は、後にモノレールが新技術を見せる場として活用されるきっかけの一つとなった。

1876年  アメリカ・フィラデルフィアの建国100周年記念博覧会で、蒸気駆動の跨座式モノレールがデモ走行を行った。レールを挟むように二つのボイラーを持ち、駅では転車台を使用して機関車の向きを変える構造であった。

1878年  アメリカ・ペンシルベニア州で、ブラッドフォード〜ギルモア間に石油掘削設備の人員輸送用として約6.4kmのモノレール線が建設された。

1886年  アメリカ・ニュージャージー州で、イーノス電気鉄道が試験された。電気を動力とする懸垂式モノレールであり、近代的な電気式懸垂モノレールの初期例として知られている。

1886年  アメリカ・マサチューセッツ州イーストケンブリッジで、ジョサイア・ヴィンセント・メイグスによるメイグス式高架鉄道の試験線が公開された。厳密には複数の案内要素を持つため純粋なモノレールとは言い切れないが、単軌条系交通の歴史ではしばしば紹介される存在である。

1888年  3月1日、アイルランドのリストウェルで、ラルティーグ式モノレールを採用したリストウェル・アンド・バリーバニオン鉄道が開業した。リストウェルの市場と西海岸方面を結ぶ約14kmの路線で、1924年まで運行された。世界のモノレール史を語るうえで欠かせない営業路線の一つである。

1890年  アメリカ・ニューヨークで、ボイントン・バイシクル鉄道が営業した。一本の走行レールと上部の案内レールを用いる独特の方式で、短期間ながら旅客輸送に使用された。

1901年  ドイツのブッパータールで、ブッパータール懸垂鉄道が開業した。オイゲン・ランゲンの方式を基にした懸垂式鉄道で、現在も営業を続ける歴史的なモノレールである。

オイゲン・ランゲンと1901年は、モノレールの歴史を調べるうえで必ず登場する重要な人物・年である。今日のブッパータール懸垂鉄道だけでなく、日本の東京都交通局上野懸垂線、いわゆる上野動物園モノレールも、ランゲン式を改良したダブルランゲン式のモノレールとして知られている。


メイグス式モノレール(1886年)

ラルティーグ式モノレール(1888年)

1902年  インド南部のクンダラ・バレー鉄道で、ユーイング式の単軌条系交通が使用された。牛などの動力を用いた産業用・地域輸送的な性格を持つ路線であった。

1907年  インドのパティアラ州で、パティアラ州モノレール鉄道が開業した。ユーイング式を用いた蒸気機関車牽引の珍しいモノレールで、1927年まで運行された。保存車両は現在もインド国立鉄道博物館に残されている。

1909年  ブレナンのジャイロ式モノレールがイギリスで公開された。これはジャイロスコープを用いて車体のバランスを保ちながら一本のレール上を走る方式で、1909年11月にはイギリスのジリンガムでデモンストレーションが行われた。モノレールではあるが、都市交通として実用化された方式ではなかった。

1910年  アメリカ・ニューヨークのブロンクスで、ペラム・パーク・アンド・シティ・アイランド鉄道の一部が電気式モノレールに転換された。シティ島方面への短距離交通として使われたが、運行期間は長くなかった。

1911年  アメリカ・ワシントン州シアトルで、木製軌道を用いたモノレール試験線が建設されたとされる。後のシアトル・センター・モノレールとは直接別の計画であり、初期実験線の一つとして扱われる。

1914年  イタリア・ジェノバの博覧会で、会場輸送用のモノレール線が建設された。車両サイズを鉄道車両に近いスケールで設計し、大量輸送機関としてのモノレールの可能性を示した。車両は5両編成で、両端に客車、中央に電気機関車を挟む配置で運行された。

1924年  アメリカ・カリフォルニアで、ラルティーグ方式を用いて鉱山から駅までマグネシウム塩を運ぶモノレールが建設された。産業輸送分野におけるモノレール利用の一例である。

1929年  スコットランドのグラスゴー近郊で、ジョージ・ベニーによるベニー・レールプレーンの試験線が建設された。既存鉄道の上空に高速交通を設ける構想で、車両はプロペラを動力として走行した。ランゲン式を発展させたような構造を持ち、ベニー式、またはエアープレーン式とも呼ばれる。


ブレナン式モノレール
(1909年)

ジョージ・ベニーによるベニー・レールプレーンの試験線
(1929年)

3. 近代モノレールの誕生
1950年代


1951年  豊島園モノレールが開業した。日本国内における遊園地型モノレールの初期例である。

1952年  アルウェーグ開発が設立された。跨座式モノレールに限っていえば、今日の都市型モノレールの原点ともいえる重要な年である。


ALWEG式モノレールの開発 第一次試験線
(1952年)

ALWEG式モノレールの開発 第二次試験線
(1957年)


スウェーデンの実業家アクセル・レナート・ウェナー=グレンは、交通機関研究所を前身とするアルウェーグ開発を設立した。ALWEGという名称は、彼の名前 Axel Lennart Wenner-Gren の頭文字に由来する。ここから、後の都市型跨座式モノレールにつながるALWEG式モノレールの開発が本格化した。

1956年  アメリカ・テキサス州ヒューストンで、「スカイウェイ」と呼ばれる自動車エンジン動力の懸垂式モノレール試験線が建設された。

1957年  東京都交通局上野動物園モノレール線、正式名称・上野懸垂線が開業した。鉄道としての日本初のモノレールであり、ランゲン式を改良した「ダブルランゲン式」と呼ばれる方式を採用した。ゴムタイヤを用いた懸垂式モノレールで、基本的にはドイツ・ブッパータール懸垂鉄道の現代版といえる存在であった。

1957年  アルウェーグ式モノレールの開発が本格化した。これ以降、跨座式モノレールは博覧会や遊園地だけでなく、都市交通への応用を視野に入れたシステムとして注目されていく。


ディズニーランドモノレール(1959年)

サフェージュ式モノレールの開発(1958年)

1958年  ウォルト・ディズニーとアルウェーグ社が、ディズニーランド用モノレールの製作に関わった。アルウェーグ式モノレールは、ディズニーランドを通じて一般に広く知られることとなる。

1958年  フランスでサフェージュ式モノレールの開発が始まった。サフェージュ式は、箱形の軌道桁内部に走行装置を収め、車両を下から吊り下げる懸垂式モノレールである。後に湘南モノレールや千葉都市モノレールなど、日本の懸垂式モノレールにも大きな影響を与えた。

1959年  アメリカ・カリフォルニアのディズニーランドで、ディズニーランド・アルウェーグ・モノレールが開業した。ALWEG式モノレールとして広く世間に知られる存在となり、当初は未来的な遊園地内交通として注目された。

ディズニーランドのモノレールは、初期にはアトラクション的な意味合いが強かったが、後の東京モノレールの登場によって、ALWEG式が本格的な都市交通にも応用できることが示される。さらに1971年にはフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドでもモノレールが開業し、現在の東京ディズニーリゾートでも、日本跨座式を基にしたディズニーリゾートラインが運行されている。

4. 都市交通への展開と日本での発展
1960年代〜1970年代


1961年  7月2日、イタリア建国100年記念博覧会で、アルウェーグ式モノレールが運行された。本格的なALWEG式モノレールの実例として、都市交通への応用可能性を示した。

1961年  奈良ドリームランドで、アルウェーグ改良型の東芝式モノレールが開業した。日本の遊園地モノレールとして、後の国内モノレール技術の展開につながる存在であった。

1962年  アメリカ・シアトルで、シアトル万国博覧会にあわせてシアトル・センター・モノレールが開業した。博覧会輸送を目的に建設されたが、現在も市内の短距離交通として運行を続けている歴史的なALWEG式モノレールである。


トリノ博モノレール(1961年)

シアトルセンターモノレール(1962年)

1962年  名古屋鉄道のラインパークモノレール線(犬山遊園モノレール)が開業した。日立アルウェーグ式を採用した日本の初期跨座式モノレールであり、犬山遊園駅と日本モンキーパーク方面を結んだ。

1962年  日本高架電鉄(現 東京モノレール)子会社の熱海モノレール社設立。社長に日本高架電鉄副社長の城戸久、会長に日本高架電鉄社長の犬丸徹三が就任した。[熱海モノレールは後に未成線となる]

1962年  アメリカでロッキード式モノレールが開発された。コンクリート上に設置された走行レールと案内レールを鉄車輪で走行する独自の方式で、日本では小田急向ヶ丘遊園モノレール線に採用された。

1963年  神奈川県川崎市で、関東レース倶楽部(読売ランドモノレール)が開業した。遊園地アクセスを担うモノレールとして整備され、日本国内における観光・遊園地型モノレールの一つであった。

1964年  東京モノレールが開業した。浜松町と羽田空港を結ぶ空港アクセス路線として整備され、跨座式モノレールが本格的な都市交通・空港連絡交通として成立することを示した。東京オリンピックを目前に控えた東京の新しい交通機関として、世界的にも大きな意味を持つ路線である。

1964年  名古屋市の東山動植物園で、国内初のサフェージュ式モノレールが開業した。日本における懸垂式モノレールの重要な初期例である。


東京モノレール(1964年)

名古屋東山動植物園(1964年)


1965年  ロッキード式モノレールの開発が進められた。鉄車輪を用いた独自方式として注目されたが、普及は限定的であった。

1966年  横浜ドリームランドモノレール線が開業した。大船駅方面と横浜ドリームランドを結ぶ観光アクセス路線として建設されたが、のちに構造上の問題などにより短期間で休止となった。

1966年  姫路市営モノレールが開業した。姫路大博覧会にあわせて整備され、姫路駅と手柄山方面を結んだ。都市交通と博覧会輸送の両面を持つ路線であった。


姫路市営モノレール(1966年)

小田急向ヶ丘遊園モノレール線(1966年)


1966年  小田急向ヶ丘遊園モノレール線が開業した。ロッキード式モノレールを採用した国内唯一の営業路線として知られ、向ヶ丘遊園駅と向ヶ丘遊園正門駅を結んだ。

1970年  大阪万博の会場内輸送として、万国博モノレールが運行された。大量の来場者を運ぶ博覧会交通として、モノレールの輸送力と未来性を示した。

1970年  湘南モノレールが開業した。サフェージュ式を採用した懸垂式モノレールで、大船と湘南江の島を結ぶ都市・観光交通として現在も活躍している。

1971年  アメリカ・フロリダ州で、ウォルト・ディズニー・ワールド・モノレールが開業した。マジックキングダム周辺のリゾート輸送を担う大規模なモノレールシステムとして整備された。

5. 日本の都市型モノレール拡大
1980年代〜1990年代


1985年  北九州高速鉄道、北九州モノレールが開業した。小倉都心部と企救丘方面を結ぶ都市交通として整備され、跨座式モノレールが地方中核都市の公共交通として機能することを示した。

1988年  千葉都市モノレールが開業した。サフェージュ式を採用した懸垂式モノレールで、都市内交通として大規模に展開された。営業距離の長い懸垂式モノレールとして世界的にも知られている。

1990年  大阪高速鉄道、大阪モノレールが開業した。大阪府北部を東西に結ぶ大規模な跨座式モノレールとして整備され、後に営業距離の長い都市型モノレールとして知られるようになった。


1997年  マレーシアのクアラルンプールで、モノレール建設がアジア通貨危機の影響により一時中断した。翌1998年にはMTransによって計画が再始動し、マレーシア国産モノレール開発の流れにつながっていく。

1998年  多摩都市モノレールが開業した。上北台方面と多摩センター方面を結ぶ多摩地域の南北交通軸として整備され、丘陵地形を走る都市型モノレールとして大きな役割を担っている。

1998年  広島スカイレールサービスが開業した。広島市安芸区の住宅地「スカイレールタウンみどり坂」とJR瀬野駅方面を結ぶ短距離交通で、懸垂式モノレールとロープ駆動を組み合わせた独特のシステムであった。

6. 21世紀初頭の世界展開
2000年代〜2010年代


2001年  東京ディズニーリゾートで、ディズニーリゾートラインが開業した。舞浜リゾートラインが運行する環状モノレールで、日本跨座式を基にしたリゾート交通として整備された。

2001年  小田急向ヶ丘遊園モノレール線が廃止された。ロッキード式モノレールを採用した国内唯一の営業路線であったため、その廃止は日本のモノレール史における一つの節目となった。

2003年  沖縄都市モノレール、ゆいレールが開業した。沖縄県初の軌道系公共交通機関として、那覇空港と那覇市中心部を結び、のちに浦添方面へ延伸された。

2003年  マレーシアで、KLモノレールが開業した。クアラルンプール中心部を走る都市型モノレールで、マレーシア国産モノレール技術を用いた路線として整備された。

2004年  アメリカ・ネバダ州で、ラスベガスモノレールが開業した。ラスベガス・ストリップ東側を走る都市・観光交通として整備された。

2005年  中国・重慶で、重慶軌道交通2号線が開業した。日本のモノレール技術を基礎とする跨座式モノレールで、山がちな都市地形に対応する大規模都市交通として注目された。

2007年  シンガポールで、セントーサエクスプレスが開業した。セントーサ島と本島側を結ぶ日立製の小型跨座式モノレールで、観光地アクセスと島内交通を担っている。

2008年  名古屋鉄道の犬山遊園モノレール線が廃止された。1962年開業の日本初期ALWEG系モノレールとして長く親しまれた路線であった。

2009年  アラブ首長国連邦・ドバイで、ジュメイラ・モノレールが開業した。パーム・ジュメイラ内を走るリゾート型モノレールとして整備された。

2011年  中国・重慶で、重慶軌道交通3号線が開業した。重慶2号線に続く大規模跨座式モノレールで、重慶は世界有数のモノレール都市へと発展していく。

2014年  インドで、ムンバイモノレールの第1期区間が開業した。インド初の都市型モノレールとして整備され、のちに第2期区間が開業した。

2014年  ブラジル・サンパウロで、サンパウロメトロ15号線・銀線の一部区間が開業した。大規模都市交通としての跨座式モノレール導入例であり、南米におけるモノレール展開の代表的事例となった。

2016年  中国中車、CRRCがALWEG式モノレールを開発した。2016年は中国におけるモノレール開発および報道が活発化した年であり、中国産モノレール展開元年の一つとして位置づけられる。

2016年  中国中車、CRRCグループ企業がSAFEGE式モノレールを開発した。中国では跨座式だけでなく、懸垂式モノレールの開発も進められるようになった。

2016年  中国のBYDが、ALWEG式に近い跨座式モノレール「SkyRail」を開発した。以後、中国国内外でBYD系モノレールの展開が始まる。

2017年  中国・銀川で、BYD SkyRailを用いた銀川スカイレールが開業した。中国メーカーによる跨座式モノレールの実用展開例として注目された。

2019年  ムンバイモノレールの第2期区間が開業し、全線での運行が始まった。ただし、その後は運行体制や車両更新などをめぐる課題もあり、近年の現況を記す場合は休止・再開状況を確認する必要がある。

7. 2020年代の新しい世界展開
2020年代


2021年  中国・安徽省蕪湖市で、蕪湖軌道交通1号線が開業した。全長約30.46kmの跨座式モノレールで、中国の都市交通として本格的に導入された。

2021年  中国・蕪湖で、蕪湖軌道交通2号線が開業した。1号線とあわせて、蕪湖は中国国内における都市型モノレール導入都市の代表例となった。

2022年  中国・深セン市坪山区で、坪山雲巴1号線が開業した。BYDの小型自動運転軌道システム「雲巴/SkyShuttle」を用いた路線であり、大型都市モノレールとは性格が異なるものの、中国における中小輸送量向け単軌条系交通として注目される。

2023年  中国・武漢で、光谷空軌、光谷モノレールが開業した。中国初の商業運行型懸垂式モノレールとして知られ、ガラス床を備えた観光性の高い車両も注目された。

2023年  タイ・バンコクで、MRTイエローラインが開業した。全長約30kmの跨座式モノレールで、バンコク初の本格的な都市型モノレール路線となった。

2023年  タイ・バンコクで、MRTピンクラインが試験旅客運行を開始した。翌2024年には本格的な営業運行に移行し、バンコク北部・東部の都市交通を担うモノレール路線となった。

2024年  MRTピンクラインが本格商業運行に移行した。イエローラインとあわせ、バンコクは東南アジアにおける大規模モノレール都市の一つとなった。

2024年  広島スカイレールサービスが営業を終了し、広島短距離交通瀬野線が廃止された。1998年の開業以来、急勾配住宅地を結ぶ独自の交通システムとして活躍したが、維持更新上の課題などから役割を終えた。

2025年  タイ・バンコクで、MRTピンクラインのムアントンターニー支線が開業した。PK10駅から分岐し、MT01、MT02方面へ向かう支線で、展示場・イベント施設へのアクセス改善を担う。

2026年  ブラジル・サンパウロで、サンパウロメトロ17号線・金線が営業を開始した。BYD SkyRailを採用した跨座式モノレールで、コンゴーニャス空港方面と既存鉄道ネットワークを結ぶ路線として整備された。

2026年  エジプト・カイロで、カイロ・モノレール東ナイル線の一部区間が商業運行を開始した。アフリカ初の本格的な都市型モノレールシステムとして位置づけられ、ニューカイロと新行政首都方面を結ぶ大規模自動運転モノレールとして整備されている。

8. 建設中・今後予定される主なモノレール
(2026年現在)


2026年以降  サンティアゴ・デ・ロス・カバリェロス モノレール
ドミニカ共和国・サンティアゴ・デ・ロス・カバリェロスで、同国初、またカリブ海地域初とされる本格的なモノレールが建設中である。全長約13km、14駅規模の自動運転式モノレールとして計画されており、Alstom Innovia系システムの導入が予定されている。

2027年以降  メトロリー4号線・6号線
メキシコ・モンテレイで、Metrorreyの4号線・6号線としてモノレール方式の新線建設が進められている。2026年FIFAワールドカップに向けた一部運用・限定運用が検討されているが、全体の本格開業は2027年以降として扱うのが妥当である。

2027年以降  カイロ・モノレール西ナイル線/10月6日市線
エジプト・カイロで、ギザ方面と10月6日市方面を結ぶ西ナイル線の整備が進められている。東ナイル線とあわせて、カイロ圏には大規模な自動運転モノレール網が形成される見通しである。

2028年  パナマメトロ3号線
パナマメトロ3号線は、パナマシティのアルブルック方面から、パナマ西部のシウダー・デル・フトゥーロ方面を結ぶモノレール路線として建設中である。日本のモノレール技術を採用する大型海外案件であり、パナマ運河を横断する区間を含む重要プロジェクトである。2026年には試験走行が始まっており、完成時期は2028年頃とされている。

時期未定  その他の中国・中東・中南米のモノレール計画
2020年代以降、モノレールは中国、中東、中南米、東南アジアを中心に再び注目を集めている。従来の遊園地・博覧会交通というイメージに加え、都市交通、空港アクセス、観光交通、中量輸送、自動運転交通としての役割が拡大している。特に、建設コスト、用地取得、急勾配・急曲線への対応、景観性などの面から、地下鉄や通常鉄道とは異なる選択肢として導入が検討されている。



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